はじめに

久しぶりにPowerShellのことを話題にすることにした。2014年に電子書籍を2冊リリースしてからすでに2年半が経過しようとしているが、私が認識している限りではいままで紙の書籍で日本語のものが出版されたのは1冊しかない。にもかかわらず、クラウドではWindowsからの導線としてPowerShellが採用されることがほとんどだ。すべてのWindowsにUbuntuサブシステムが導入されているわけではないため、他の方法があったとしてもなかなか面倒な話になることが多い。

すでにWindowsだけでなく、macOSやLinuxにおいてもPowerShellは利用することができるようになりつつある。オープンソースになってから半年が経過しようとしている。にもかかわらず、相変わらず日本語の情報に乏しい。以前は頻繁にPowerShellについて情報を発信していたエンジニアの方々も最近はあまり目立った発信をしていないように見える。これはマイクロソフトが本格的に動いているからなのか、それともPowerShellという技術に興味を失ったからなのかはわからない。

一方で、相変わらずWindowsで簡易に何か情報システムのようなことを行うとしたら真っ先に候補として上がってくるのがExcelなどに同梱されたVisualBasic for Application、日本での通称としてはVBAマクロだ。これやWindows Scripting Hostの代替として登場したはずなのに、依然としてそれらは日本においてメインストリームにあると言っても差し支えないのではなかろうか。

本書では、PowerShellについて基本的な操作や事柄を紹介しつつ使い慣れた道具のようにPowerShellを扱うことができるようになるためのきっかけとしていただきたいと思い執筆をはじめた。「はじめに」を最初に書くべきかどうかということはあるのだが、ある程度書き進めていっている状況であるため、このタイミングで追記していっている。

PowerShellを学ぶにあたって

実は、日本語のリソースでなければ、つまり英語のリソースでは豊富に情報は存在している。ただし、信頼できそうなリソースはマイクロソフトが提供している公式ドキュメントがほとんどであり、古いものでは過去のバージョンで利用できなかった機能を補うために作成されているコード片も多いためそのままコピペを行うのは危険かもしれない。

最新の情報はマイクロソフトが公式に提供しているドキュメントを確認したほうがよりよいだろう。

そうは言ってもわたしのように英語が苦手なユーザーとしては日本語のリソースをあてにしたいところだ。少なくともWindowsユーザーはブログなどで得た情報は手元のPowerShellコンソールで動作するか確認してみることをお勧めする。

PowerShell用のテキストエディタについて

メモ帳くらいしかないな、というユーザーのためにはWindows PowerShell ISEという環境があることをご紹介しておきたい。ここにはタブキーによるコード補完機能を有したエディタと実行環境が一体となった環境が用意されている。よって、メモ帳くらいしかないな、というユーザーにはこちらを利用してほしい。すでにプログラミング経験があるユーザーはSublimeやAtom、VisualStudio Codeを利用していただければと思う。

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